看護倫理
講座概要
近年の医療分野における科学技術の進歩は目覚ましく、再生医療、人工臓器、体外受精、遺伝性疾患の治療など、先端的な医療の開発が進められています。また、人々の死生観や医療に対するニードの多様化もみられ、看護師には、専門的な知識や技術が要求されると共に、臨床で倫理責任を果たすことが求められるようになりました。
そこで、第1回では、看護倫理の基礎をおさえ、2回目以降は、抑制問題や、意思決定に関するジレンマ、喪失体験(脊髄損傷患者)をしている患者への障害告知に関する看護師のジレンマ、自殺患者に対する看護師の葛藤、医療者の態度に関するジレンマなど、特に急性期の臨床の場で経験する事例問題を取り上げ、倫理的ジレンマを紐解きながら、それぞれの考え方や、対応策の一例を紹介していきます。皆さまの解決の糸口にして頂けたらと思います。
- 講師
- 鈴木 智子
- 動画時間
- 13分(更新中)
講師
講師:鈴木 智子
急性・重症患者専門看護師
第1回看護倫理の基礎知識
―なぜ倫理を学ぶ必要があるのか―
近年の医療分野における科学技術の進歩は目覚ましく、人々の死生観や医療のニーズの多様化もみられ、種々の対応しきれない問題が生じてきている。このような状況に身を置く看護師には、さまざまな能力が必要とされ、とりわけ、倫理の知識や倫理的感受性、倫理問題に対する解決能力が要求される。
まずは、基本となる「倫理という言葉の意味」「倫理と道徳」「看護倫理とは」「看護者の倫理綱領」等をそれぞれ解説していく。
第2回事例1:「抑制に関するジレンマ」
事例:自己抜去のリスクが高く抑制をしている患者から、抑制を外してほしいとの訴えがあった。しかし、ルート類の自己抜去歴が複数回あったことや、マンパワーがなかったことで、患者の希望に沿うことができず倫理的ジレンマを感じる。
この事例に関して、
1. 何か倫理的問題なのか
2. 看護職の倫理綱領、倫理原則の何に抵触しているのか
3. 倫理的ジレンマを紐解く
4. 解決策の一例
5. その他
を解説していきます。
第3回事例2:「意思決定に関するジレンマ」
事例:認知症の患者。患者の家族と医師で治療方針を決めている。本当にそれでいいのか、患者はどうしたいと考えているのか、患者中心に治療を決定していかないといけないのにと悩む。
この事例に関して、
1. 何か倫理的問題なのか
2. 解決策の一例
3. その他
を解説していきます。
第4回事例3:事例検討「脊髄損傷患者の障害告知に関する看護師のジレンマ」
事例:脊髄損傷の患者に永続的な障害に関して、まずは家族にICをしている。「動けるようになる?」という患者からの質問になんと答えてよいかわからない。
この事例に関して、
1. 何か倫理的問題なのか
2. 看護職の倫理綱領、倫理原則の何に抵触しているのか
3. 倫理的ジレンマを紐解く
4. 解決策の一例
5. その他
を解説していきます。
第5回事例検討「自殺患者に対する葛藤」
事例:自殺で運ばれてきた患者に「なぜ、助けたの?」と言われた。その人の気持ちを尊重するということがわからなくなった。私たちのしていることは、患者にとって余計なお世話なのか。
この事例に関して、
1. 何か倫理的問題なのか
2. 倫理的ジレンマを紐解く
3. 解決策の一例
4. その他
を解説していきます。
第6回事例検討「医療者の態度に関するジレンマ」
事例:医師が、患者に話しかけられても頷くだけで適当な対応をしている。看護師が、患者が鎮静されているとはいえ、清拭をしながら看護師同志でプライベートな話をする。
この事例に関して、
1. 何が倫理的な問題なのか
2. 看護職の倫理綱領、倫理原則の何に抵触しているのか
3. 倫理的思考のポイント
4. 目指すべき人格
5. その他
を解説していきます。